2016年5月18日

5月18日 ミャンマーの春

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ミャンマー制裁、一部解除 米が発表、政権移行後で初
 オバマ米政権は17日、ミャンマー企業に対する経済制裁の一部を解除したとのことだ。制裁から外す対象となるのは、銀行3行を含む国有企業10社。3月末にアウン・サン・スー・チー氏主導の新政権が発足した後、米国が制裁を緩和するのは初めてのことだ。同国の民主化を後押しするとともに、米国企業の進出につなげる狙いがありそうだ。

 半世紀続いた軍事政権から、ミャンマーが民主化への道を歩んでいる。今回のアメリカ側からの通商上の融和政策は今後ミャンマーが国際社会の中で発展していくなかで大きな一歩になるだろう。ミャンマーで民主的な選挙の行われた昨年11月。軍人のいいなりではなく、国民の意見を政治に反映させ、国民の生活を向上させる代表者を皆待ち望んでいた。決起に震える国民民主連盟(NLD)のシンボルカラーである赤色で埋め尽くされた集会の映像は記憶に新しい。二度の自宅軟禁という不遇に合いながらもそうした民意を背負って今年3月に民主政権を発足させたアウン・サン・スー・チー。「軍人支配が終われば、資源が多く若いミャンマーはもっと豊かになる」投票時にインタビューで語っていた有権者の言葉だ。今後、アメリカ企業のみならず世界の企業がミャンマーを新たなマーケットして認識し、進出が進むだろう。結果、国内のインフラが整備され、現地の雇用を生み、国民の生活が潤う結果となることが望ましい。しかし、政権という表に見える権力を民主化するだけでは実効力が弱い。東南アジア全体に総じていえることだが、歴史の上で軍部の政治への介入は国が発展する上で必ずついて回ってきたもので、たとえ民主化した後も水面下で癒着は続いていることが多い。軍人と警察に友人がいれば大抵の事は許されるなんていうきな臭い話も実際に存在している。自由で平等な、本当の意味での民主国家を、我が国含め、協力して目指していきたい。
(市川 淳)

経済制裁・・・国際法違反または国際機構の決定違反に対して,違反国に経済的圧力を加え,違反をやめさせ義務の履行を迫ることをいう。金融,財産,通商上の不利益が違反国に及ぶような措置がとられる。