2016年5月11日

5月11日 米大統領の歴史的広島訪問の背景

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オバマ大統領 27日に広島で演説計画
10日、日米両政府はオバマ大統領が主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が閉幕する27日に被爆地、広島を訪れると発表した。第2次世界大戦末期の1945年8月6日に原爆を投下した米国の現職大統領が広島を訪れるのは初めてとなる。「核兵器なき世界」を掲げるオバマ氏は広島で核廃絶を世界に向けて訴えかける。平和記念資料館の訪問も検討中。

オバマ大統領の広島訪問が実現すれば、間違いなく後世に残る出来事になるでしょう。戦後70年が経過しているにも関わらず、原爆を落とした国であるアメリカ大統領が被爆地を訪問する事は一度もありませんでした。アメリカ国内には「卑怯な真珠湾攻撃から日米戦争が始まり、原爆を使用したからこそ戦争の終結が近づいた」という世論が根強く、原爆使用を正当とする考え方を持つ国民が多い事が、大統領が広島・長崎を遠ざけてきた大きな理由です。アメリカ国内でその根本の考え方が変わった訳ではありませんが、先月に広島の原爆ドームを訪問したケリー国務長官の働きかけもあり、今回の日米同時発表が行われました。発表時刻を合わせたりと、日米間の距離がかなり近いと見る事ができますが、ここからアメリカの外交事情が透けて見えます。
これまでアメリカと仲が良いとされてきたのは「日本・イギリス・カナダ・サウジアラビア・イスラエル」の5か国ですが、アメリカとの距離が離れている国があります。中国主導でスタートしたアジアインフラ投資銀行(AIIB)はアメリカの利権を奪いかねないため、日米は参加していません。ところがイギリスは早い段階で参加を表明、サウジアラビアも参加。親米国の代表格だったイスラエルも最終的に参加を決めました。この事実だけを抜粋すると、アメリカと仲良しの国が日本とカナダだけとすら言えます。任期終了間際のオバマ大統領のレガシー(政治的遺産)のためだけではないようです。

(ナカモト)

オバマ大統領のノーベル平和賞・・・2009年10月9日にノルウェーのノーベル賞委員会はオバマの「核なき世界」に向けた国際社会への働きかけを評価して2009年度のノーベル平和賞を彼に受賞させることを決定した。就任から1年に満たない国の指導者がノーベル平和賞を受賞することは極めて異例。